世界のデザイン美術館

日本のデザインを集大成し、その魅力と意義を伝え、未来の創造を確かなものにする「国立デザイン美術館」。ここでは、その先行事例として世界のデザイン美術館やデザイン・コレクションが充実しているミュージアムを紹介します。

ヴィトラ・デザイン・ミュージアム
Vitra Design Museum

ドイツ、ヴァイル・アム・ライン

建築とデザインの両方が楽しめるミュージアム

 ヴィトラ・デザイン・ミュージアムは1989年に開館した、家具メーカー・ヴィトラが運営する私立のミュージアムです。それほど規模が大きいというわけではないのですが、デザイン好きならぜひ訪れたい博物館です。
 理由の一つは、フランク・ゲーリーが設計した建物。ゲーリーが自由な曲面を使うようになった初期の作品です。中に入ると、どこからともなく差し込んでくる光に誘われるように、自然に奥へと進めるようになっています。外からは奇妙な形に見えますが、実際はとてもチャーミングな建物なのです。
 コレクションはイームズ、アレキサンダー・ジラード、ヴェルナー・パントンなど、家具と照明が中心です。家具は約6000点、19世紀のウィーン分離派、デ・スティル、戦後の北欧やイタリアのデザイン、メンフィスなどポスト・モダン、最新のサステナブル・デザインまで多岐にわたっています。約1000点の照明コレクションには20世紀の名作が多数含まれています。絵画や彫刻の美術館のような修復部門もあり、コレクションは常にベストコンディションに保たれています。
 企画展ではルイス・カーンやジャン・プルーヴェら建築家・デザイナーの個展のほか、ジョー・コロンボやエルヴィン・ウルムらアーティストの個展、「修理」をテーマにした「リペア!」展、デザイナーの役割を改めて問い直す「フォーラム・フォー・アン・アティテュード」展など、ユニークなテーマの展覧会を開いています。
 現在、ミュージアムの周辺にはヘルツォーク&ド・ムーロンが設計したショップ・ショールーム・カフェがある「ヴィトラ・ハウス」、SANAA設計の工場、ジャスパー・モリソンがデザインしたバス停、ザハ・ハディドの消防署、安藤忠雄の会議棟などがあります。2016年6月にはヘルツォーク&ド・ムーロンが設計したコレクションを常設展示するギャラリーがオープンします。建築庭園ミュージアムとしても楽しめる施設です。
ヴィトラ・デザイン・ミュージアム 外観

ヴィトラ・デザイン・ミュージアム 外観

2017年1月29日まで開催中の「アレキサンダー・ジラード:デザイナーの宇宙」展展示風景 2017年1月29日まで開催中の「アレキサンダー・ジラード:デザイナーの宇宙」展展示風景

2017年1月29日まで開催中の
「アレキサンダー・ジラード:デザイナーの宇宙」展展示風景

http://www.design-museum.de/
Vitra Design Museum
Charles-Eames-Str. 2, D-79576 Weil am Rhein, Germany
Tel. +49-7621-702-3200
10時〜18時、展覧会会期中無休
入館料11ユーロ